ドローン専門行政書士の川原辰也(かわはらたつや)です。
ドローンにはトイドローンという種類があるって知ってましたか?
私はドローンに興味を持ち始めた頃、両者の違いを知らなかったです。
ドローンもトイドローンも同じように空を飛びますもんね!
最近、お客様から下記のようなご質問をいただくようになりました。
ドローンとトイドローンの違いを見分けるポイントはどこですか?
ドローンは聞いたことがあるけれど、トイドローンってなに?違いは?
どちらを買ったらいいか迷っているのですが、どちらがおすすめですか?
私はドローン専門行政書士として仕事をしていますので、今回は「ドローンとトイドローン」について分かりやすく解説していきます。
ドローンとトイドローンでは、いくつか違う点があります。この違いを知らずにドローンを飛行させると、法律違反をして罰則になる可能性もあります。
法規制のところにも触れていきますので、最後までしっかりチェックしていきましょう。
ドローンとトイドローンの見分け方
まずはじめにドローンとトイドローンの見分け方をお伝えします。
それは、「機体の重量」です。
ドローンとトイドローンの見分け方
機体の重量で分かれる。
✔200g以上のドローンは、「ドローン」という扱い
✔199g以下のドローンは、「トイドローン」という扱い
ドローンとトイドローンは200gを境に分かれます。
しっかり覚えてくださいね。
次に2つの違いを見ていきましょう。
ドローンとトイドローンの違い4つ
ドローンとトイドローンが違うのは主に4つです。
ドローンとトイドローンの違い4つ
- 法律上の取り扱い
- 重量
- 飛行場所
- 操作性
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
法律上の取り扱いの違い
ドローンとトイドローンでは法律上の取り扱い方が違います。
ドローンの場合
ドローンのことを分かりやすく言えば、飛行機などの旅客機とは違い、人を乗せない飛行物体です。
ドローンは、法律上「無人航空機」(航空法2条22項)と定義されています。
ドローンが「無人航空機」にあてはまるため、ドローンを飛行させる際には国土交通大臣の許可が必要となります(航空法132条但書)。
よって、ドローンは航空法の規制対象となります。
航空法の規定も見ておきましょう。
「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼飛行機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通令で定めるものを除く。)をいう。
航空法2条22項
(法第二条第二十二項の国土交通省令で定める機器)
航空法施行規則5条の2
分かりやすく言いかえると
『ドローンにあてはまるもの(200g以上のドローン)は、航空法という法律のルールがあるのできちんと守ってくださいね。
まずはドローンを飛ばす前に、飛ばしてもいいかどうか許可を取ってくださいね。(←許可申請するという事)
OKが出れば、ドローンを飛ばしてもいいですよ。』
ということです。
これらのことを決めているのが、「航空法132条」です。
(下記に条文を引用しますが、上のことを難しく書いてあるだけです。)
飛行の禁止空域
何人も、次に掲げる空域においては、無人航空機を飛行させてはならない。
ただし、国土交通大臣がその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないと認めて許可した場合においては、この限りではない。
航空法132条
トイドローンの場合
一方で、トイドローンは航空法の規制対象ではありません。
トイドローンは、法律上「無人航空機」ではなく、「小型無人機」とされるため、航空法にはあてはまらないのですね。
そのため、国土交通大臣の許可は不要となります。
しかし、トイドローンの飛行に許可が必要ないからといって、どこでも飛ばして良いという事にはなりませんので注意してください。
『トイドローンは航空法という法律のルールにはあてはまりません。
トイドローンは屋内で飛ばすこと前提で作られているので、自宅で飛ばす分には許可を取らなくても、ドローンを飛ばして大丈夫です。
しかし、一定の場所では飛行が制限されているので注意が必要です。
なぜ重量によって、許可の必要性が変わるのか?
なぜ重量によって、国土交通大臣の許可が必要となるか否かが変わってくるのか?
それは、航空法が改正された当初199g未満のドローンは、ドローン自体が小さく屋内で使用されることが予定されていました。
このことから、墜落等によって人や物にぶつかっても大きな事故にならないと考えられていたからです。
このような法律の趣旨によれば、ドローンの機体性能の向上に伴い、法律の規制が見直されることが当然に予定されています。
また、現に199gのドローンが作成されており、機体の性能上トイドローンであっても屋外での飛行が予定されています。
そのため、法律と現状の技術に合わせるため、199g未満という重量基準が、150グラム未満に変更されるが予定されています。
重量の違い
先ほどから解説しているとおり、重量の違いがあります。
ドローンとトイドローンを見分けるポイントは、「機体の重量」です。
機体の重さが200g以上のドローンをドローンと言い、
機体の重さが199g以下ものをトイドローンを言います。
飛行場所の違い
法律では、トイドローンは主に屋内で飛行させる機体、一方ドローンは屋外で飛行が予定されている機体という分類を想定していました。
しかし、トイドローンといえども現在では多くの機体が屋外での飛行を前提とした性能をもっています。
そして、トイドローンを飛行する場合に多くの方が誤解されている部分があります。
「トイドローンは航空法が適用されない、つまり許可がいらないから、どこでも飛行できる!!」これは、大きな間違いですので本当に気をつけてください。
確かに、トイドローンはドローンに比べて法律で禁止されている部分は少ないです。
しかし、法律で禁止されている部分が少ないからといって、トイドローンをどこでも飛行させて良いとはなりません。
例えば、キャンプ場で飛行させる場合は、その管理者の許可が必要です。
公園なども広い狭いに関わらず管理者の許可が必要です。
操作性の違い
操作性の違いは、もちろんあります。
トイドローンは機体が軽いゆえに、風がふいたら流されてしまい、途端に操縦不能になりやすいです。
それに対して、ドローンは重量もあることから機体が安定します。
少しの風では流されることはありません。
ドローンとトイドローン、どちらが購入におすすめか?
空撮を目的とするなら、重量・操作性・性能などから、私はドローンをおすすめします。
✔ドローンの方が重量があり、風に流されない
✔風に流されないから、操作に安定性がある
✔ドローンの方がカメラなどの性能もいい
- また、許可を取得していることで、通行人や警察並びに動画視聴者等にも、ドローン飛行を適法に行っていることが伝わりやすくなります。
空撮は屋外での撮影です。
屋外でのドローン飛行は、天候や風の強さなど様々なコンディションに左右されながら操縦します。
様々なコンディションの下での操縦に不可欠なものは、ドローン機体本体の安定性です。
機体の安定性を重視すればやはりある程度の重量や性能を持っているドローンがおすすめです。
機体の安定性の他に、カメラの性能もドローンの方が高品質です。
DJI社のMavicシリーズを例にすると重量がこんなに違うことがわかります。
Mavic mini 199g(法律上トイドローンとされる機体)
Mavic Air2 570g(法律上ドローンとされる機体)
まとめ
ドローンとトイドローンの見分け方
機体の重量で分かれる。
✔200g以上のドローンは、「ドローン」という扱い
✔199g未満のドローンは、「トイドローン」という扱い
ドローンとトイドローンの違い4つ
✔法律上の取り扱い
✔重量
✔飛行場所
✔操作性
空撮用ドローンを買うなら
200g以上のドローンがおすすめです!
以上、ドローンとトイドローンの違いをまとめました。
これを参考に、ぜひあなたのドローン生活に役立ててくださいね。