遺言の検認の流れとは?かかる費用や時間は?必要書類も合わせて解説

はじめに

検認手続きが終わるまでは相続手続きを進行できません。
不動産の名義変更等を行う場合には、検認済証明書付きの遺言書の提出が必要となるからです。

検認済証明書とは?

検認はすぐには終わらないの?

そもそも必要書類や費用などはどれくらいなんだろう?

という疑問にお答えします。

検認手続きの流れ

1.遺言書の発見で検認手続きが必要な場合

検認手続きは、公正証書遺言および遺言保管制度を利用した自筆証書遺言以外の遺言書を発見した場合に必要となります。

2.遺言検認の申立書の提出

相続人は、遺言書を発見した場合、すみやかに遺言者の居住地の家庭裁判所に検認請求の申し立てをします。

検認を怠ったり、勝手に封印されている遺言書を開封してしまった場合、5万円以下の過料に処されることがあります。(民法1005条)

遺言検認の申立書に必要な書類

この申立書で提出するもの

  • 遺言書
  • 相続人目録
  • 遺言者の出生時から死亡時までの全ての戸籍謄本
  • 申立人の戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 受遺者全員の戸籍謄本

相続人の人数によっては、この戸籍謄本の収集作業という申し立て準備作業に時間がかかる場合があるので、早めに行動するように心がけましょう。

検認に必要な費用

遺言検認の申立てには収入印紙800円が必要となります。
この収入印紙は、遺言検認申立書に貼り付けて提出します。

3.検認期日の通知

検認の申立てからおよそ1~2週間後に、家庭裁判所から申立人に期日調整の連絡があります。
日程調整後、検認期日の通知書が来ます。

4.検認の実施

遺言の検認には、申立人が必ず立ち合わなければなりません。
検認の実施の際には相続人の立ち合いの下で、封筒の開封や遺言書の確認が行われます。

5.検認済証明書の申請

検認が終了したら、検認済証明書の申請をしてください。
検認済証明書の申請は、遺言の執行のため必要なものとなります。

検認済証明書は、遺言一通につき150円の収入印紙と申立人の印鑑が必要となります。

遺言の検認手続きにかかる時間

以上のように、検認手続き自体は1カ月ほど時間を要します。
検認手続きの申し立ての準備を含めると、2カ月ほどかかることを覚悟しておくべきです。

まとめ

相続手続きのために、検認済証明書付きの遺言書を提出しようと思ってもすぐには提出できないことが確認できましたでしょうか。

ましてや、全て自分で手続きをするとなると、手間や時間がかかりすぎてしまい途方に暮れることも。

そんな時はぜひ専門家に相談しましょう。

投稿者プロフィール

川原辰也
川原辰也川原行政書士事務所 代表
申請代行のプロ。補助金やドローンの申請ではたくさんの許可承認を得てお客様に喜んでいただいている。
補助金業務では企業団体や個人事業主といった規模に関わらず幅広く活躍。
企業の運営責任者や、個人事業でご自身で補助金申請して通らなかった方は一見の価値あり。